【令和8年度税制改正】若者世代の「手取り」と「未来」はどう変わる?
2025年12月19日に令和8年度税制改正大綱では、「これからを生きる若者世代(学生・新社会人・子育て世帯)」にとってインパクトの大きい内容になりました。
今回の改正のキーワードは、「手取りを増やして、将来に備える」です。
物価が上がっている今の世の中で、特に若い世代や子育て世代が「自由にお金を使える仕組み」を作り、将来への不安を減らしてほしいという国の狙いがあります。
これまで「壁」を気にして働く時間を抑えていた人がもっと活躍できたり、早いうちから資産を作れたりするように環境が整えられようとしています。
特に注目すべきポイントをチェックしていきましょう。
1. 「103万円の壁」が178万円へ
これまで多くの学生やパートの方を悩ませ、令和7年から議論が加速していた「103万円の壁」。
令和8年度からは、所得税の課税最低限が178万円へと大幅に引き上げられることになります。
この引上げは、すべての所得に適用される基礎控除の引上げと連動しており、本業以外に副業をされている方の「副業収入」についても非課税枠が広がることになります。
また、扶養から外れるライン(特定扶養親族の控除など)についても連動して見直されるため、世帯全体での減税効果が期待できます。
※注意:今回の「178万円」は、あくまで所得税(税金)のお話しです。
130万円(あるいは勤務先によっては106万円)を超えると社会保険料が発生する、という「社会保険の壁」は依然として存在しますので、注意が必要です。
参考:令和8年度税制改正の大綱(5ページ、②)
2.NISAの拡充(未成年対象)
これまで18歳以上が対象だった「NISA(つみたて投資枠)」が、18歳未満にも拡大されることになりました。
大学進学などの将来資金を、非課税で長期・安定的に準備しやすくなります。
これまでは「学資保険」などで準備することが一般的だった大学進学費用などの教育資金を、「非課税×長期運用」で賢く準備できるようになります。
子育て世帯にとっては、お子さんが生まれた時から、新NISAの非課税枠を使ってコツコツ資産形成が可能になりますし、複利の効果を最大限に活かせる「超長期投資」が、家族全員で取り組めるようになります。
未成年を対象としたNISAは、2027年(令和9年)1月1日の拠出分から開始される見込みです。
投資を検討している方は、2026年中に口座開設をした上で、2027年からスタートできるように準備するのがスムーズです。
参考:令和8年度税制改正の大綱(12ページ、「(3)資産形成の促進に向けた取組みの拡充と金融を通じた経済成長、①NISAの拡充」)
3.マイホーム購入も継続支援!住宅ローン減税の延長
「家を買うのはまだ先かな…」と思っている人も注目です。
住宅ローン減税の期限が令和12年(2030年)入居分まで延長されることが決まりました。
また、住宅ローンを組める上限額(借入限度額)が、一般世帯の水準もしっかり維持された上で、19歳未満の子どもがいる「子育て世帯」や、夫婦のどちらかが40歳未満の「若年夫婦世帯」にはさらに手厚い上乗せが盛り込まれました。
| 住宅のタイプ(新築など) | 一般世帯の上限 | 子育て・若者世帯の上限 |
| 長期優良住宅・低炭素住宅※1 | 4,500万円 | 5,000万円(+500万) |
| ZEH水準省エネ住宅※2 | 3,500万円 | 4,500万円(+1,000万) |
| 省エネ基準適合住宅※3 | 2,000万円 | 3,000万円(+1,000万) |
注意:令和8年(2027年)以降入居の場合の数字
また、こちらのブログ「【令和8年度税制改正】40〜50代が知っておくべきポイント」でもご紹介しましたが、質の高い中古住宅なら、限度額が引き上げられた上で、新築と同じ「13年間」の減税が受けられます 。
40㎡以上の住宅から減税の対象になる特例も延長されており、都市部のマンションを検討する若者世代にも嬉しいニュースです 。
ただし、令和10年(2028年)以降に入居する場合、災害レッドゾーンに建てる新築住宅は減税の対象外になるため、土地選びも重要になりますのでご注意ください。
※1:参考:環境・省エネルギー計算センター「低炭素住宅と長期優良住宅の違いを解説!エコで快適な住宅を実現するには?」
※2:参考:国土交通省「家選びの基準変わります」
※3:参考:環境・省エネルギー計算センター「省エネ基準適合住宅とは?証明書や住宅ローン減税の申請方法も解説」
参考:令和8年度税制改正の大綱(36ページ、②)
参考:令和8年度税制改正の大綱(8ページ、④住宅ローン控除の拡大)
参考:国土交通省「報道発表資料、住宅ローン減税の子育て世帯等に対する借入限度額の上乗せ措置等を令和7年も引き続き実施します!~令和7年度税制改正における住宅関係税制のご案内~」
まとめ:今からできるアクションは?
今回の改正は、若者世代が「稼ぐ・貯める・住む」において、国が背中を押してくれる内容と言えます。
☆【学生・フリーターの方】
働き方を再シミュレーションして、効率よく稼ぐプランを立てましょう。
☆【子育て世帯】
子どものためのNISA口座開設を検討し、長期の資産形成をスタートさせましょう。
☆【住宅取得を考えている方】
焦る必要はありませんが、延長が決まったことで、じっくり理想の家探しができますね。
制度を知っているだけで、将来の選択肢を広げることができます。
ご自分のライフプランに合わせて、賢く活用したいですね。
今回お伝えしたのは令和8年度税制改正大綱をベースにした速報版です。
これから国会を通って正式決定されるため、細かい条件などは今後アップデートされる可能性があります。
情報のアップデートにはぜひ注目ください。